evo-devo青年の会
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第9回Evo-devo青年の会 報告


2016625日から26日にかけて、岡崎コンファレンスセンターにおいて、
9Evo-Devo青年の会 現代の形態学は大進化を解きうるか?
を開催いたしました。


今回は計45名の方に参加していただきました。当日の様子を写真を交えながらご紹介いたします。


初日(6/25)


まず、企画者から10分ほど趣旨説明を致しました。その後、質疑応答を含めおおよそ1時間ずつ、5題の招待講演者に講演いただきました。

第1題目は基礎生物学研究所の大出高弘さんより、昆虫の翅の進化についてご講演頂きました。昆虫の翅とはそもそもどのような発生学的特徴を備えた構造であるのかまず明らかにし、さらに最終的には無翅昆虫に翅を作ることで翅の進化過程を理解しようという計画について熱く語ってもらいました。



続いて、名古屋大学の鈴木孝幸さんより脊椎動物の後肢の発生とその進化機構についてのお話をいただきました。多種多様な脊椎動物を対象に、後肢を生み出す分子機構と後肢の位置の変更をもたらす変更について、実証的なアプローチによる説得力のあるデータが次々と示され、会場からは感嘆の声が湧きました。




3題目に基礎生物学研究所の藤田浩徳さんより、植物の形態多様化機構を数理モデルから探ったお話についてご講演いただきました。植物ホルモンや転写因子の動態に基づき構築された数理モデルにより、実際の植物でみられる地上部形態や葉脈のパターン形成について見事に説明されていました



第4題目は、基礎生物学研究所の岡田和訓さんより、脊椎動物の咽頭弓形成機構とその進化についての研究をお話していただきました。圧巻だったのは、後半部分のゼブラフィッシュのライブイメージングのデータで、同一個体内の咽頭弓間での異なる形成機構の存在を一目で理解出来るものでした。保存された形態の裏側にある発生機構の多様性とその意味について考えさせられる、まさに”現代の形態学”というに相応しい内容でした。。

 

最後に、東邦大学の土岐田昌和さんに「How to make hunters in the darkness」というタイトルで講演していただきました。蛇のピット器官やコウモリのエコロケーションについて、生態学的、形態学的な解説をした後にEvoDevo的な観点からこれから解かれるべき問題について説明していただきました。生物に対する造詣の深さと軽妙な語り口に会場は引き込まれました。



質問はマイクに並ぶスタイルでした。たっぷりとったはずの質疑応答の時間でしたが、どの講演者でも時間が足りないくらいに活発な質疑応答が交わされました。


 
その後にポスター発表と懇親会。招待講演者と口頭発表者を除けば、おおよそ2/3ほどの人がポスター発表しました。おおよそ3時間半、通常の学会では考えられないほど長い時間にわたって活発な討論が続きました


基礎生物学研究所へと場所を移しての二次会では、昨年に引き続いてのアイスブレイク企画「流れ星」を行いました。グループを作って、相手の研究内容を絵で表現するということを通じて交流を深める企画です。今年も個性豊かな名作が生まれました。さらに全員の投票により、画伯賞を決定致しました。

今年も深夜3時頃まで議論は続きました。
 
二日目

一般口頭発表者として選抜された3人の若手研究者にお話いただきました。

まず、松井大さん(慶應義塾大学)から、道具を使うカレドニアガラスの嘴形態に着目した研究をお話いただきました。形態学的手法による他種との比較により、カレドニアガラスは道具使用に適しているであろう特異な嘴形態を持つということが示されました。

次に、江川史朗さん(東北大学)より、恐竜の股関節の進化に関する研究。股関節を構成する要素のうち骨盤側の構造(寛骨臼)に着目し、同等な形態の寛骨臼を保持している現生動物の発生機構の比較から、恐竜型の寛骨臼の進化史について議論した研究を聞かせていただきました。

最後に、佐藤勇輝さん(学習院/京都大学)。プラナリア全能性幹細胞の可視化により、その維持機構について理解し、最後にはその制御システムから多細胞化の起源についての議論を展開しました。

続いて、今年も恒例企画となったワールドカフェを行いました。今回は主に、自分たちで生物学における世界最高の賞であるDarwin Medalを取るにはどうしたらいいのかということについて、グループに分かれ激論を交わしました。終わりには、グループごとに孤島での進化実験や宇宙からのサンプリングなど、夢あふれるアイデアを発表してもらいました。
最後に、前日夜の企画である流れ星の画伯賞(同点で、橋詰 和慶さんと竹中將起さん)の表彰式と、企画者から締めの言葉で、第9回大会の全ての企画は終了いたしました




 
最後になりましたが、本研究会の岡崎コンファレンスセンターにおける開催にあたっては、大出高弘さんを始めとした基生研の関係者各位から多大な貢献をいただきました。また、本研究会は公益信託進化学振興木村資生基金(平成28年度講演会・セミナー等開催費用助成金)の助成を受けて開催されました。この場を借りて深くお礼申し上げます。

Evo-devo青年の会・幹事一同(文責: 守野)


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